「なぁ~。つーかーさ君!次は、どんな女にするんですか?」
「何?宰、また別れたの?もう、今月5人目じゃ~ん!」
「このっ!たらしが~」
「ちげーよ!女のレベルが低すぎんだよ!!」

 この男は、安藤 宰。女ったらしの高3で、顔立ちがよい。すなわち、イケメン。
 毎日のように、隣に連れる女子を変える。
 1ヶ月、同じ女子が隣にいた事などがない。

…とまぁ、好く言えば[女好き男]悪く言えば[女子を弄ぶ男]
…どちらも、同じように聞き取れるのはきっと気のせいだろう。


 ちなみに私は…説明する程の者ではおそらくないだろう。

「…宰。2学年は、もう全部廻ったぞ。次は、1学年か?」
「いや…。俺は、そうしたいけどさ。1年なんかにむやみに手だしたら、今度こそ絶対退学になるし、大体中身が子供すぎんだよな…。」
「じゃあ、他の学校か?」
「…なぁ、俺らの学年で彼氏いない女子のリスト作ってくんねー?」
「!!!!」
「いやー。それは、マズいんじゃないかな。大体、顔いい奴らは全員彼氏いると思うぜ。」
「誰か、いるだろ。顔以外はダメな奴でもいいからさ…。」
「…絶対、いないって。」
「いや、1人いるかも…。」
「おい、どいつだよ?名前は?クラスは?」

「……F組の観月 優奈。」

 宰以外の人物は、皆凍り付いているようだ。
 宰は、付き合った事がない女子はほとんど知らないので無理もないが、この少女は後できっと重要な役割をするだろう。
 あえて、説明は省かせていただく。

「おっ♪名前からして、可愛いじゃん。紹介してよぅ。」