リカが死んでからは、いつも二番だった成績も1番に、かけっこも女の子の中では1番早くなった。
親にいつも1番になりなさいと言われ続けたその子にとって、やっと褒めらるようになったと内心ウキウキしていた。
そんなある日、一人で留守番している時、家の電話が鳴った。

ジリリリン!ジリリリン!

(今、お母さん達いないのに困ったなぁ)

女の子「もしもし、どなたですか?」
電話の相手「こんにちは!久しぶりね!私、リカよ」
女の子「・・・え?・・・リカちゃん?」
電話の相手「今ね、あなたのマンションの手前にいるわ」

そこで唐突に電話が切れた。

女の子「ちょっと!もしもし!?どういうこと?」

女の子は急に不安になった。
(違う子かな。でも、あの声は確かに・・)

ジリリリン!ジリリリン!

女の子「もしもし・・・」
リカちゃん「こんにちは!久しぶりね!私、リカよ。今ね、あなたのマンションの一階にいるわ。」

そこで電話はまた切れた。しかししばらくするとまた、

ジリリリン!ジリリリン!

リカ「こんにちは!久しぶりね!私、リカよ。今ね、あなたのマンションの二階にいるわ。」

今度は女の子の方から電話を切った。
女の子は怖くなって震えて、もう電話に出ない事を決めた。

ジリリリン!ジリリリン!

何回か電話がかかってきたが、女の子は部屋の隅でうずくまって、全く出ようとしなかった。
すると、留守電モードになり、
「お母さんです。どうして電話に出ないの?勝手に一人で遊びに行ってるの?」

女の子はパッと顔を上げ、助かった!と思って、次に鳴った電話に出た。

女の子「もしもし、お母さん?あのね、今ね・・」
リカ「こんにちは!久しぶりね!私、リカよ。今ね、あなたのマンションの6階にいるわ」

(6階・・・この部屋の階!)

女の子は急いで玄関まで走っていき、鍵がかかっている事を確認した。

(大丈夫、入ってこれはしない・・・)

ジリリリン!ジリリリン!

女の子はビックリして飛び上がった。
でも、今度こそお母さんかもしれないと思って電話に出た。

女の子「もしもし・・・」
リカ「こんにちは!久しぶりね!私、リカよ。今ね、あなたの後ろにいるわ。」