ぱん。
乾いた破裂音が部屋に響き渡り、色とりどりのリボンが神妃と創星の目の前でひらりと舞う。
「創星ちゃん、神妃ちゃん。十六歳のお誕生日おめでとう!!」
リボンが飛び出したクラッカーを手に持って、対面に座る両親が笑顔で祝いの言葉を二人へとおくる。
そんな両親を神妃は口に笑みを浮かべて「ありがとう」告げるが、内心はこの年で盛大に祝われるのも恥ずかしくもあり、そろそろ控えめに祝ってもらえないだろうかと思っているのだが、両親の楽しそうな顔を見ると「もうやめて」など、とてもじゃないが神妃には言うことが出来なかった。
が、彼女の隣に座る姉は空気など関係ないと言ったように微笑みながら毒吐いた。
「もう十六歳なんだから、そこまで盛大にお祝いしなくてもいいよ~、すっごくウザイから」
「そんなこと言って、一番誕生日を楽しみにしてたのはあんたでしょうに」
呆れて神妃が言うと、創星は「え?」と、目を瞬かせ、
「今のは、神妃ちゃんの心の内を代弁して言っただけよ?」
「責任転嫁しないで! それに、ウザイとか思ってないもん!!」
「あ、でも、盛大に祝われることにげんなりはしてたんだ?」
「……あんたはなんでも揚げ足を取る!」
「本当の事をいってるだけだも~ん」
「ははは、本当に二人は仲がいいね」
「うん、私神妃が大好き」
「仲良しとか、そんなの関係ない!!」
私たちのやり取りを見て、父は辺りに散ったリボンを巻き取りながら笑う。その父へ創星は笑顔で答えたが、二人のやり取りに対して神妃は更にイラだった。
「お父さん! そんな悠長な事言ってないでもっとちゃんという事があるでしょう!?」
放任主義とまでは言わないが、この父親は子供二人の意思を尊重し過ぎる点が多く、周りの同い年の女子高生よりはずっと自由な環境を与えられている。
そのことに関して不服は無いが、こういった場面でも悠長に見守るのはどうかと神妃は思う。
父は神妃の不満溢れる言葉に「いう事?」と首を傾げた。
その父を見て、神妃は力強く首肯する。
「創星ちゃん? もう言ったの?」
次いで言われた父の言葉に、神妃は意味が分からず目を瞬かせた。
創星はかけられた問いに、肯定も否定もせずにこりと微笑み父を見返す。その仕草を見て、父はどうやら肯定ととったらしく「そうか」と頷いた。
「え? 何?」
一人、会話から取り残されたような気がした神妃は、答えを求めるように創星と父を交互に見つめた。
その無言の問いかけに答えてくれたのは父だった。
「さて、神妃……もう、創星ちゃんには答えを出したのかもしれないが、お前が出した答えを、今度はお父さんたちにも教えてくれないか?」
「は? 答えって……なに?」
乾いた破裂音が部屋に響き渡り、色とりどりのリボンが神妃と創星の目の前でひらりと舞う。
「創星ちゃん、神妃ちゃん。十六歳のお誕生日おめでとう!!」
リボンが飛び出したクラッカーを手に持って、対面に座る両親が笑顔で祝いの言葉を二人へとおくる。
そんな両親を神妃は口に笑みを浮かべて「ありがとう」告げるが、内心はこの年で盛大に祝われるのも恥ずかしくもあり、そろそろ控えめに祝ってもらえないだろうかと思っているのだが、両親の楽しそうな顔を見ると「もうやめて」など、とてもじゃないが神妃には言うことが出来なかった。
が、彼女の隣に座る姉は空気など関係ないと言ったように微笑みながら毒吐いた。
「もう十六歳なんだから、そこまで盛大にお祝いしなくてもいいよ~、すっごくウザイから」
「そんなこと言って、一番誕生日を楽しみにしてたのはあんたでしょうに」
呆れて神妃が言うと、創星は「え?」と、目を瞬かせ、
「今のは、神妃ちゃんの心の内を代弁して言っただけよ?」
「責任転嫁しないで! それに、ウザイとか思ってないもん!!」
「あ、でも、盛大に祝われることにげんなりはしてたんだ?」
「……あんたはなんでも揚げ足を取る!」
「本当の事をいってるだけだも~ん」
「ははは、本当に二人は仲がいいね」
「うん、私神妃が大好き」
「仲良しとか、そんなの関係ない!!」
私たちのやり取りを見て、父は辺りに散ったリボンを巻き取りながら笑う。その父へ創星は笑顔で答えたが、二人のやり取りに対して神妃は更にイラだった。
「お父さん! そんな悠長な事言ってないでもっとちゃんという事があるでしょう!?」
放任主義とまでは言わないが、この父親は子供二人の意思を尊重し過ぎる点が多く、周りの同い年の女子高生よりはずっと自由な環境を与えられている。
そのことに関して不服は無いが、こういった場面でも悠長に見守るのはどうかと神妃は思う。
父は神妃の不満溢れる言葉に「いう事?」と首を傾げた。
その父を見て、神妃は力強く首肯する。
「創星ちゃん? もう言ったの?」
次いで言われた父の言葉に、神妃は意味が分からず目を瞬かせた。
創星はかけられた問いに、肯定も否定もせずにこりと微笑み父を見返す。その仕草を見て、父はどうやら肯定ととったらしく「そうか」と頷いた。
「え? 何?」
一人、会話から取り残されたような気がした神妃は、答えを求めるように創星と父を交互に見つめた。
その無言の問いかけに答えてくれたのは父だった。
「さて、神妃……もう、創星ちゃんには答えを出したのかもしれないが、お前が出した答えを、今度はお父さんたちにも教えてくれないか?」
「は? 答えって……なに?」


