その後ふたりは燃え盛る炎の元で、床にマットを敷いただけの場所で、何度も何度も確かめ合った。


その余韻は全身に残り、いつまでもこうしていたいという想いに駆られたが、布団に入って昔話を楽しもうとミチが言い出した。


「ケイの子供の頃の話を聞かせてよ。」


「うん。そうだな。ミチは布団を敷いてくれ。俺は火の始末をするよ。」


部屋の灯りはアルコールのランプに変わり、この後に訪れる極寒に備えて、二人は冬合宿のようないでたちで一つの布団に入った。


「ねえ、やんちゃだったでしょ…? 子供の頃」


「そうだな。サッカーばっかりしてたよ。」


「ミチは陸上だっけ?」


「そう。うちは父がマラソンやってたから、いつも走らされて……正直言うと勉強との両立きつかったの。」


「だろうね…ミチは頑張り屋だからね。」


「両親の期待を裏切りたくなかったから……。」


ミチの頬を涙が伝って流れ落ちた。


「辛かった事、全部吐き出しちゃいな‥」


ミチはケイの肩にもたれて大声をあげて泣きだした。




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