……ー3年前
『ナツ、今すぐこの前貸したゲームもってこい』
陽気な空気が流れる春。
中二になったばかりのわたしに突然電話をかけてきたのは、隣に住む幼なじみだった。
「えー!今すぐ?やだよめんどくさい。」
『今友達来てて、ゲームやりてーっつーからさぁ。今すぐよろしく』
「はー?ちょっ、誠?」
わたしの返事も聞かず切れた電話にイライラして、ベッドに携帯を投げる。
ボスン、と虚しい音がして携帯が一回跳ねた。
しょーがないなぁ。
誠は隣に住んでいるけど、中学から6年制の名門である私立の学校に通っているので同じ学校ではない。