俺は、最低だ。


華のものがない部屋に帰って改めてそう感じた。


話は2週間くらい前にもどる。


俺はあたらしくアメリカではじまるドラマの撮影の打ち合わせにきていた。


そこでは他のモデルが撮影の仕事をしていて、ふいに通りかかったその会場で彼女にあった。


彼女の名前は広瀬 明美さん。


モデルのスタッフをしている。


俺は、彼女を見た瞬間、一瞬でビビっときた。


なぜって?


彼女が俺と同じ目をしてたから。


俺の家庭はごく普通の一般家庭。


姉貴と俺とお袋と親父。


すごく幸せだった。


でも12のころ、俺も姉貴も両親に捨てられた。


俺は親父っ子で、どこへいくにも親父についてった。


前に華につれてった場所も全部親父が好きで、俺も好きな場所。


でも、12歳のとき、親父もお袋もかわった。


お互いに浮気をしてて、離婚。


どちらがひきとるわけでもなく、俺と姉貴はすてられたんだ。


それから、月に渡される生活費で姉貴とくらして姉貴は就職、俺は芸能界に飛び込んだ。


俺はすぐに明美さんにちかづいた。


彼女も俺と同じような過去をもっていた。


ただ、ちがったのは明美さんには旦那さんがいて、子供も2人いるということ。


でも、俺は明美さんと過去が同じという親近感からか、明美さんがきになりだした。