「ちょ、どうしたの?なにかあった?」
そんなことを聞いてくる小奈美にこたえようとするけど、言葉よりも嗚咽がでてとまらない。
でも小奈美はあたしの後ろにある大荷物と俊のものしかのこってない部屋をみてわかったのか、カバンを半分もってあたしにも荷物をもたせて部屋をつれだして、小奈美の部屋につれてきてくれた。
鍵をしめて、部屋にはいって、なおも泣き続けるあたしの背中をさすってくれた。
「んで、どうしたの?俊くんとなんかあった?」
おちついたあたしにそう聞いてくる小奈美。
「俊ね、浮気してた。今日、マンションの近くの裏道で、他の女性の事好きっていって・・・キス、してた。」
「・・・」
「まえまえから気付いてたんだ。シャツから女性の香水の香りがしたり、口紅の後がついてたり。」
「そっか。じゃ、しばらくウチにいなよ。一緒に寝よう」
「いいの?」
そういうと小奈美は優しく笑ってうなずいてくれた。
「あ、でも、あの、陸には、あたしがここにいること、俊にいわないでほしいんだけど・・・」
「大丈夫。陸、信用あるから。ね?」
あたしはその言葉にうなずいた。
すると隣でドアの開く音がきこえた。
あ、陸、かえってきたんだ。
小奈美が心配そうに顔をのぞきこんできた。
「大丈夫大丈夫。小奈美がいてくれてよかった」
「そ?」
そう、小奈美が言ったと同時に小奈美の部屋のチャイムがなった。
「は~い」
「あ、小奈美。俺、俊」