そうおもった次の瞬間、小奈美の顔がでてきた。


「でも、好きなんでしょ?」


っていってる小奈美。


それを聞いた瞬間また顔があかくなって。


「お前、はなしきいてんの?」


「もう、わかったって!それより、なんで俊がここにいるのさ」


そう、一番の謎!


なんで俊がいるの????


「あぁ、今、客きててよ。それでその買い物がえり」


「ふ~ん。それじゃ、おやすみなさい」


いてもたってもいられず、顔が赤いのがばれないうちに帰ろうと思ったけど。


「もう、だからフードをつかまないでよ~」


「だってお前、俺が手離したらまた裏道通るだろう?」


もう・・・


「通らないから、離してください」


そういうとやっと離れてかわりに荷物がかるくなった。


「んじゃ、一緒に帰ろうぜ。逃走防止にな」


そういって俊がいたずらっぽく笑い、あたしがまとめ買いした重い食材の袋をかるがるもちあげた。


「俊、いいって。自分でもつから」


「別にいいだろ。どうせ、お前がもったって10分が20分かかるだけだよ」


そう意地悪に言う俊だけど本当は優しさだってわかってる。


だって、ほら。


意地悪する時の顔みたく悪戯じゃなくて、優しく微笑んでるんだもん。


あたしは俊の表情をみてからついに口をすべらせた。


「俊ってそんな表情(カオ)するんだね」