きづくともう、事務所に一番近い駅についてた。


「ほら、華、いくよ~」


そういってまた駆け足でホームに電車からおりて事務所にむかう小奈美の背中をおっかけて事務所についた。


事務所につくと社長がくるまでまだまだ20分もあった。


「なんか、今日いつもより早くない?」


そんなあたしの質問に小奈美は無言でうなずいて控室にはいっていった。


あたしもそれにつづいてはいって控室においてある動きやすくて自分の声がだしやすくて気に言っている服をきる。


小奈美もあたし同様、そういう服にきがえてあたしは胸下まである髪を上で軽く束ねてふたりで控室をでてからドアからみると大きい鏡が一枚はってある15畳くらいの部屋にはいってストレッチをしてから伴奏しかはいっていないあたしたちの曲をかけてダンスの練習をはじめる。


クールだけど優しい歌の方の題名は「fight」


なんでそんな題名になったのかは知らない。


でもあたしも小奈美も結構気に入ってる曲。


デビュー曲はこの曲の予定。


一応ちいさいころからヒップホップをやってるあたしたちにはそんなにダンスは苦労はしてない。


ただ、ダンスをしながら歌を歌うのに苦労している。


お互い苦手な部分を克服するためにアイポットに曲をいれてイヤフォンで聞きながら苦手な部分を歌いながら踊っている。


そのおかげか今は2人であわせてもダンスのずれはほとんどなかった。


きづくともう20分はたっていてドアのところに社長がたっていた。


「「おはようございます!」」


「おはよう。2人ともえらいね、早くきて練習するなんて。じゃぁ、まずダンスを見せて頂戴」


その掛け声で立ち位置につき音楽がながれると同時にそれぞれのパートをおどりだす。


それから社長のだめだしをうけながら2時間の練習をつづけたあと、別の部屋、歌を練習する用の部屋にはいり3曲、ほぼ休憩なしでうたった。


きづくと9時であたしと小奈美は先生にお礼をいってから着替えてそれぞれ家にかえった。