8時5分前になるとあたしたちは美緒さんにつづいて控室をでた。


「緊張するね~」


「だね、華。がんばろうね」


「うん。音、はずしちゃったらごめんね。それからダンスも間違えたらごめん」


「大丈夫だよ。今日まで1年間がんばってきたじゃん。がんばろう。失敗してもへこたれないこと!」


そういう小奈美にニコっとわらいかけて2人でハイタッチをしてから順々におりていく階段の前にならんだ。


一番最初におりていくのはfruityのみんな。


次が勝利さん。


ノノさん。


あたしたち。


そして最後にSTAR。


だから今あたしたちの後ろには俊たちがいて、あたしは背中にいたい視線を感じる。


いやになって振りかえると俊がこっちをみてた。


「なんでしょうか?」


「いや、お前歌手だったんだな~って」


あぁ。


「しるはずないよ。だってあたしたち、今日デビューだから」


そういうと同時に司会者の声がきこえた。


あぁ、はじまったんだ。


あたしは何かいいたげな俊を無視して小奈美を手をつないで出る番をまつ。


「まずはfruityのみなさんです。」


そういうと同時にfruityのみんながおりていく。


するとキャーと一気に会場がもりあがる。


「つづいてノノさんです」