「楽しかったね」


「だな。」


口数は少ないのはいつもと同じだけど・・・


「俊、なんかかくしてない?」


「・・・・手、だして」


手?


素直に右手をだすと左手を取られた。


そして次の瞬間、あたしの薬指に指輪がはめられた。


でも、この指輪、みたことある。


「これ、明美さんにじゃないの?」


「違う。もともと華にあげるために買った指輪だし」


そういって照れてるのか顔をそむける俊。


指輪をはめるためにあたしの首から腕をぬいたから体ごと壁側をむいてしまった俊。


「俊。しゅ~ん」


「・・・・」


返事はない。


「チュッ」


あたしはいつも不意打ちでされるキスを仕返しに俊にすると・・・


「お前、どうなっても知らないぞ」


形成逆転。


俊を狼にしてしまった。