オリオン座

「あー、もうドキドキが止まらない。どうしよう」
「キモくね?」
「キモいだと?マジ、かわいいんだけど」
「お前自分の学校では彼女作らないって言ったよな?」
「来宇ちゃんは別!一目惚れなんか絶対しないと思ってた・・・」
ヤバイな
こいつマジ惚れだ
「女なんか面倒くさいだろ?」
「お前はあのことから、まだ引きずってんだな。まだ二年だもんな」
「引きずってねーよ。あのこととで面倒くさくなったわけじゃねぇよ」
「他に彼女作ったら、変わるかもよ」
「俺はもう彼女なんか作らない」
「俺もあのことはショックだったし、無理か」
そんな会話をしながら家に向かう
そしたら柊矢の家に着いた
「じゃあな!これから来宇ちゃんのことよろしくな」
「ああ、じゃあな」
家に入っていく柊矢を見届けてから一人暮らしの自宅へ向かった
でも、その前に自分の気に入ってる場所へ寄ろう
俺は自宅方面とはちょっと外れた道を行く
いつもの場所へついた
「はー、落ち着く」
俺の気に入ってる場所とは星がよく見える、普通の公園だ
でも、ここから見える星は最高で、どこよりも落ち着く場所だ
特に俺の好きな星座は`オリオン座`だ
死んだ母さんに初めて教えてもらった星座だったから
ベンチに寝転び、いつものオリオン座を見る
今日も綺麗だ
少し寒くなった10月にはオリオン座はよく見える
そして、あの事を思い出させる
「矢吹くん・・・?」
急に星ではなくて昼間に見た顔がのぞかせた
「矢吹だけど?」
「矢吹くん、何でここに?」
「別にお前は?」