オリオン座

「ちょっとまっててね」
柊矢やは女にそう告げて、俺を引っ張って近くの路地に連れ込んだ
「何だよ、いってぇな」
「あの子よく見たら天使みたい」
「はぁ?頭いかれた?もしかして、惚れた?
確かにパッチリの目小顔だからこそ、似合うショートヘアだけど、天使って訳じゃない」
「うん。だから手伝ってよ」
「マジ?!」
「強制だから」
それだけ言うと柊矢は俺をまた引っ張る
「ねっ、いい?」
女は即効答えた
「私、ブラブラしない。光の好きな人と遊べない」
「マジ・・・」
柊矢はいかにも残念です遊びたかったですって声を出した
でも、すぐに開き直って
「さっき、京也が言ってたんだけど光ちゃんのこと全然知らないから、今から遊んでみたいんだって。それでも、ダメ?」
は???俺が光と遊びたい?柊矢ぶっ殺す
「お前っ」
俺が反論しようとしたら、思いっきりけられた
こいつ刻んでやりたい
「ねっ、それならいいでしょ?」
何もなかったような顔して女に話しかける
「本当?!光めっちゃ喜ぶよ!ヤッター!今から電話して呼ぶね」
女も女で信じ込んでいる
ふざけんなよ
俺は柊矢を引っ張り、先ほどの路地へつれこんだ
「お前っ、何言ってんだよ」
「ゴメン、でも付き合えって訳じゃないからさ」
「ったく、お前は適当すぎんだよ」
「この恋は絶対叶えたいんだ。俺、女といてこんなに必死になったことないんだ。頼む」
柊矢はこの世の終わりのような顔をして頼みこんだ
「はぁ、分かったよ。しゃあねぇな」