「テキトーに
そこら辺に座っとけ」

煉は女の子に言って
台所に向かった………が

――グイッ
「…!!?」

女の子が煉の裾を引っ張った

煉は女の子の方に顔だけ向け
「なんだ?」

女の子は無口で
煉にケータイを差し出した

「あぁ…拾ってくれたのか
ありがとな」

――コクン

女の子は頷くと
ソファーには座らずに絨毯の上に座った

煉は台所に行くと
グラスに注いだオレンジジュースを持って
女の子に手渡した

「オレンジジュースで大丈夫?」

――コクン

女の子は無口のまま頷いた

煉は女の子の向かい側に座り
本題を切り出した

「所で君名前は?」

女の子は煉の目をじっと見て
無表情のまま口だけ開いた

「アキトリュカシェル-カミノク-フェルシィハフィック……」

「え!!!??今なんつった??」

煉は目を点にして女の子に聞き返した

「アキトリュカシ-カミノ……」
「ちょっ…ちょっとまった!!」
煉は女の子の言葉を遮った

「名前……長くて覚えらんねーから"アキト"でいい?」

「煉様の……お好きなように
どうぞ…」

「じゃあアキトで」

そこで煉はある事に気づいた

「そぉいやアキト…
何で俺の名前知ってんの?
しかも…様ってなに?」

「煉様は……
僕のMaster候補の方なので…」アキトは坦々と告げだ

「Master候補??」