「確か…この辺だよな……」

学校が終わり

煉は朝女の子と
ぶつかった近道にいた

ケータイが落ちていないか確認するが

いくら探してもケータイは見当たらない

「諦めるて帰るか……」

帰ろうと振り向いたその時
あるものを見つけた

「なんだこれ?」
煉はそれを拾った

ネックレスチェーンに大きめの十字架がぶら下がっていた

「はぁ……ケータイじゃねーのかよ………」

煉は深い溜め息をついた

「……帰ろ……」

拾ったネックレスを無意識にポケットに入れ近道を後にした


家に着いた煉は
することもなく
制服のままリビングのソファーに寝ていた


―ピンポーン

その時家のチャイムが鳴った
時間は9時を回っていた

「…いつの間に寝てたんだ俺…っつか誰だよこんな時間に…」

寝ぼけながら玄関に向かい
ドアを開けると
煉は一瞬にして目を覚ました

「!!な…なんで……君が……」
煉の視線の先には

今朝
煉とぶつかった青い髪の女の子が突っ立ていた

「なんで……君が…
ってかなんで俺の家!!?」
煉が状況が把握しきれず
パニックになっていた時

女の子が何かを煉に差し出した
「……これ……」
「……何それ??」

もう当たりは暗く
差し出された物が見えなかった
近くで見ようと近寄った時
煉は女の子の服装を見て仰天した

「おまっ!!なんでそんな薄着なんだよ!もぉ11月だぞ!!」

女の子は薄手のセーラーワンピに
太めのネクタイをしていて
ワンピと同じ素材のハーフパンツを履いていた
秋ならまだしも
11月の夜は真冬なみに寒かった
今朝は顔の方に気が向いていたため
煉は気づかなかった

「とりあえず家入れよ……寒いだろ??」

門を開け
女の子のに近づいた時
やっと手に持っている物を確認できた

女の子が大事そうに持っていたのは煉のケータイだった

「!!?なんでおまえがそれを?? もしかして 拾ってくれたのか??」

女の子はコクリと小さく頷いた

「そぉか……ありがとな…」

手を差し延べ
女の子の頭を撫でたようと
触れたその時

「!!!!!」

煉の頭に昔の記憶が
走馬灯の様に横切った

(また……これ……何なんだよこの思い出は……)

その思い出は
煉が幼い頃のものだった