建物がが並ぶ道のり

そのビルとビルとの隙間に
煉と萩兎が通う聖堂学院までの道がある

「相変わらずきたねーなぁ」

「まぁ……好んで通る道じゃね ぇな」

その道は、道幅が狭くかなり入り組んでいる
ここを通る人は
まずいないだろう

そんな道を二人は
小走りで進んで行く

すると突然

「おい煉!!!あぶねー!!!」
「えっ??」

ドンッ

いきなり
煉の目の前に何かが飛び出してきて煉と正面衝突した

「おい大丈夫かよ!!?」
「いってー
なんだ??………!!!!」

煉は目を見開いた
飛び出してきたのは

繊細な
青いグラデーションの髪と
赤い透き通った大きな瞳
肌は白くアンティークドールの様な顔つきで
ぱっと見10歳くらいの女の子だった

その子は煉とぶつかった衝撃で地面に倒れ、俯いていた

「なんでこんな所に女子供が??ってかこの子……外人??」

萩兎は不思議そうな顔で女の子を見下ろした

「大丈夫か??わりぃな」
煉は手を差し出した

「だい……じょうぶ……です」
顔を上げながらその子は煉の手を取り煉の目をジッと見た

「!!!!」
煉は突然
昔の事を思い出した

(俺は……
前にこいつに会ったことがある……??
ダメだ……思い出せない……)

「おい煉!!!煉!!!」
「!……あ……あぁ」
煉は萩兎に呼ばれ
はっと我に帰った

「どうしたんだよ いきなりボーとして 大丈夫か??」
「大丈夫だ……わりぃ」

「ならいいけど……ってか煉 この子めっちゃカァイくね!!?」

萩兎はニヤニヤしながら
煉に囁いた

「ハァ……またおまえは……」
煉は呆れたように
萩兎を横目で見た

「えーだってカァイ」
「そぉいや君」
「ちょっ 無視すんなよ!!」

煉はあることを思い出した

「なんでこんなとこにいんの??」
「確かに……こんなきったねー場所にこんなカァイ」
「迷ったのか??」
「ちょっ……おまえまた!!」

「……が…………から」

女の子は聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟いた

「え?? 今なんて言った??」

煉が聞き返すと

「煉様が……いる……から…」
女の子は
煉の目の奥を見ているのかの様に煉の目を見つめて呟いた

「え!!!??」
「!!!……」

萩兎は身を乗り出し
煉は目を見開いた