気が付くと美加の家の前に呆然と立ち尽くすアタシがいた。

「ハル!?どうした?」

二階の自分の部屋からアタシに気が付いた美加が、窓から不思議そうに問い掛ける。

「ハル?」

アタシの涙に気が付いた美加は「今、行く!」って言って窓を閉めた。

玄関のドアが勢いよく開いて中から美加が顔を出した。

「ハル!どうしたん?」

「アタシ・・・優斗に・・」

「とりあえず中入ろ」

美加は優しくアタシの背中を押した。

「で、どうしたん?」

美加がアタシの背中を摩りながら静かに問い掛ける。
「アタシ、優斗に・・・フラれたん」

涙が止まらない。

アタシはゆっくり今日あったことを全部美加に話した。

美加は「うん。うん。」って頷きながらアタシの話しを聞いていた。

アタシが全部話し終えると美加は、

「ハルはやっぱ、ええ子やね」

って、真っ赤な目を細くしながらアタシ抱きしめた。
アタシは美加の腕の中で夢の中に落ちて行った。