また沈黙が流れる。

ふっと顔を上げると優斗と目が合った。

「・・・ハルは捺から俺のこと聞いたん?」

優斗はゆっくりと顔を窓の方に向けた。

「・・・・・うん」

「ハルはまだ俺のこと好きでいてくれてる?」

「・・・うん」

少しの沈黙の後、優斗は透き通るくらい静かな声で言った。

「ハル・・・嫌やろ。彼氏が心臓病なんて」

優斗はそう言ってアタシを見た。

その顔は、

振り向いた顔は、
悲しみと不安に満ちていて・・・。

いくつもの雫がポタポタと白いシーツに落ちて行く。

「・・・・・・・・・。」

「これでも好きでいられる?」

アタシは困惑の中で黙り込んでしまった。

答えようにも言葉が見つからない。


「ハル・・・・・・俺のこと好きでいてくれなくてええよ」

その言葉を聞い瞬間、アタシは優斗と二度と会うことが出来なくなるような気がして・・・アタシは涙でぐちゃぐちゃになりながら優斗を呼んだ。


「優斗!!」


アタシは優斗に駆け寄った。


優斗の肩にしっかり手を回す。


「優斗!アタシ優斗のこと好きやよ。ずっと、優斗のこと思っとった。ずっと・・・」


捺くんにも、

美加にも、

梨華にも・・・

誰にも言えなかった思いが

今、

ここにある。



「・・・ハル・・・ほんま・・・ありがとな」


優斗はそう言ってアタシをギュッと抱きしめた。


ずっと、

淋しくて、

淋しくてたまらなかった。

でも、

今はこんなに温かい。

それは きっと

貴方が隣にいるからだよね。