約束婚<恋来い>

何だ、今度はお偉いさんの息子の
子守か。

「なんで私?
 社長さんの子供なら
 ベビーシッターを雇えばいいのに」

私が聞くと、何故か
お父さんもお母さんもキョトン顔。


再び沈黙が流れ
次はお母さんが口を開いた。

「涼子。次は子守じゃないわ。
 世間でいう、お見合いかしら。
 相手方は涼子と同い年くらいよ」

大袈裟に「明日が不安だわ」なんて
ため息をつくお母さん。

反対に、開いた口が塞がらない私。