約束婚<恋来い>


エレベーターが上に上がる。
私たちは無言だった。

やがてエレベーターが目的の階に到着し
ボーイに会釈をされながら降りると
別のボーイに席を案内されて。

席について、バイキングについての
説明をするボーイが去った後で
私は水を一口飲み、目の前の男をみた。


「で?どういうこと?」

「俺こそ聞きたい。
 俺は伯父に誘われたんだ。
 バイキングなんておかしいと思ったが
 伯父までお袋たちと仲間だったらしい」

「はぁ?じゃ、奈々子さんは…」

「お袋は来ない。お前も俺も
 親たちにやられたんだ」


…なんだと。


「そこまで嫌な顔をされても困る。
 俺も被害者なんだから」

苦笑する亮太。
そうだよね、この人も被害者か。

まあ、それより空腹の限界で正直
どうでもいい。

「んじゃ食べようか。
 私、お昼抜いたからお腹空いてるの」

そう言って立ち上がった。