緊張しながらフカフカのソファに
腰を下ろして5分。
ふと、視線を感じて顔を上げると
そこには、いつか怒らせた亮太がいた。
「えっ!?」
私が驚いて立ち上がると
亮太は我に返ったように私を見るのを
やめて、ばつが悪そうな顔をして
「行くぞ」と言い、歩き出した。
「ちょ、ちょっと待って!
なんで奈々子さんじゃなくて…」
と前を歩く亮太を追いかけながら問うと
クルッとこちらを振り返った亮太は
「やっぱりお前もか…」とだけ言い
エレベーター前のボーイにバイキングの
招待券を見せた。
「やられたんだよ、俺もお前も」
そう言われたところでエレベーターが来た。
