そこからはあっという間に時は過ぎ
解散することになった。
「今日は本当にありがとう。
涼子ちゃん、また会いたいね」
「はい、今日はありがとうございました」
今日わかったこと。
社長とお父さんが親しくなったのは
お父さんが役員に就任して間もない頃
会社のロビーで大胆にコケて
小銭をぶちまけた現場に社長がたまたま
居合わせたのがキッカケだということ。
痛すぎる、父。
「楽しかったわぁ。涼子ちゃん可愛いし」
「いえいえ、とんでもない。」
真っ赤になって全力で否定。
この姿は父と同様に少し痛々しいが
奈々子さんのように綺麗な人に言われると
本当に自分の存在が申し訳なる。
「ほら亮太。あいさつなさい。」
ん?亮太?
そこで改めて気がついた。
私の「お見合い相手」とやらに。
