「あっ、社長!」

立ち上がって挨拶をする両親を見て
相手が到着したことを知った。

「いやいや、松井田クン。
 今日はすまないね」

「いえ、とんでもございません。
 涼子も楽しみにしています」

えっ!?ワタシデスカ!?
別に楽しみにしていないっていうか
この食事会を知ったの
昨日なんですけど、無茶振り!?

一人動揺していると、社長は
優しそうに目を細めて私を見る。

「涼子さんか。はじめまして。
 佐久間です。
 大丈夫、この店の肉じゃがは
 本当に美味しいから楽しみにして」



肉じゃが!!うひょー、楽しみ!


「はい!」



思いっきり元気な返事をしてから
気付いた。

情報漏れ漏れやん。