「あ、あのすいません!」
大きな声で演劇部の人たちに話しかけた。
少しびっくりさせてしまったかもしれない。
「わっ!なになにぃ、いきなりどうしたのぉ?」
ふわふわしていて可愛らしい女の子が、大きな目をめいいっぱい開かせて訊いてきた。
「あ……あの、その部品。えっと、実は……わたしのなんです!」
なんて言うか考えていなかったわたしは、とっさに答えた。
わたしのじゃないのに、言ってしまった。
でも、嘘でもつかないと、この謎は迷宮入りしてしまうのではないかと不安になった。
「え、これ君のなの?」
次は、黒縁の眼鏡を掛けた男子が意外そうに訊いてきた。
「はい、そうです」
こうなったら、嘘を通すしかない。
これは、わたしのなんだ、と自分に言い聞かせた。
わたしの、わたしの……。
