「ふぅー、感動したね」

長時間、映画を見続けていたためか、溜め息がつく。

先頭を歩きながら、感想を述べるわたしに、想太君はニコッと笑顔を返す。

よかった。

映画の内容が普通の恋愛物語で。

それに、暗かったから隣の様子は、あまり見えなかった。

想太君の姿が見えていたら、話の中に入り込めずに、体中が熱くて溜まらなくなる。

でも、無事映画鑑賞ができてホッとした。

もう帰るのかな。

わたし的には、もうちょっと一緒に居たいなぁ。

わたしは、いろんなことを思いながら、想太君の横に並んで歩いていた。