外に出ると、冬が近づいて来てるような冷たい風が吹いていた。
寒いなぁ。
早く倉庫に行こうと早歩きになる。
こんな寒いのに、よく部活できるな。
グラウンドで野球をしている男子や、ソフトボールをしている女子が目につく。
あ、テニスコートでも、男女テニスをしている。
がんばってるなぁ……。
テニスコートを通り過ぎようした瞬間、端っこの方に何か変な形をしたものが見えた。
何、あれ……。
そのとき、わたしは、気づいた。
まさか、あれもあの部品!?
急いで、テニスコートの入口に走った。
そこには、友達の唯歌がいた。
寒さも気にせず、ラケットを手にしている。
唯歌に、入らせてもらうか。
「唯歌!ちょといい?」
大声で、唯歌を呼ぶ。
それに気づいたのか、唯歌はわたしのところへやってきた。
「あれ?楽、どした?」
少し心配したような口調で、唯歌は問いかける。
「テニスコートの中、入らせてもらっていい?すぐ出るから」
走っていきなり大声を出したわたしは、息を切らしながらも頼む。
