もしもタイムマシンがあるのならば ~クリスマス編~


わたしは、久美ちゃんと話していたら、前の方から声が聞こえた。

「楽ちゃーん、ちょっと来てくれる?」

その声は、部長だった。

なにかな、と思いながら、久美ちゃんに「行ってくる」と残して、部長の元へ向かった。

「何ですか?」

わたしが訊くと、部長は、申し訳なさそうに言う。

「あのね、悪いけど、外にある倉庫の中から、青色のかごを持ってきて欲しいんだけど……いいかな。わたし、腕怪我しちゃったから」

包帯を巻いた腕を見せる部長。

たしかに、これじゃあ、荷物は運べない。

そう確信したわたしは、「わかりました」とうなづいた。

「ありがとう。マジで助かる」

部長の不安そうな表情が、笑顔に変わった。