少し暗くなってきたところで、やめることにした。
「勉強になりました!」
ふかぶかと、わたしは、お辞儀をした。
「ううん。わからないことがあったら、俺に訊いてね」
恥ずかしそうに想太君は、首を横に振っている。
はい、なんでも訊いちゃいます。
「楽しかったぁ。結構暗くなったね」
冬が近づくと、日が短いな。
別に、帰れるから心配ないか。
「うん。送ってこうか?」
空を見ていた想太君の視線が、わたしに移った。
「あ、大丈夫。ここから家近いし」
送ってくれるのは、ありがたいけど、これ以上お世話になるのは、少し申し訳ない。
「ああ、そっか。じゃあ、気をつけて帰って」
想太君は、そう言うと、手を振った。
「想太君も気をつけてね」
わたしも、手を振り返した。
