そんなことを思っていたら、4時間目の授業がまったく耳に入らなかった。
休み時間になってほしくて、たまらなかった。
そして、4時間目が終了。
はぁ、やっと終わったぁ。
当たり前に、杉崎君は、席を立って男子たちの元へ直行した。
それと入れ替わるように、想太君が、わたしの隣に座った。
「ねぇ、さっき俺ばっかが楽ちゃんに質問してたじゃん。だから、俺に何か訊きたいことある?」
いきなりの言葉にわたしは、焦った。
想太君のことは、あんまり知らないから、訊くことはいっぱいあるはずなんだけど……。
ここで、黙ったらダメだ。
「うーん。あ、じゃあ、好きなスポーツは?」
わたしは、とっさに出てきた言葉を言った。
あれ、どうしよ。
男子と話すとき、こんなこと訊くっけ!?
いや、普通は、好きな女性のタイプとか、好きな芸能人とかを訊いたりするの?
でも、好きな女性のタイプって、ちょっと積極的すぎるんじゃないか。
やっぱ、好きな芸能人にしとけばよかった。
好きなスポーツなんて、返事はだいたい、野球とかサッカーでしょ。
