今、楽ちゃんって呼んだよね?
呼んだよね!?
え……、マジで……?
顔を上げて、声がした方を見る。
そこにいたのは、木田想太君。
クラスの男子の中で、最もかっこいい人だ。
あまり女の子としゃべっているところは、見たことない。
そんな男子が、……なぜ?
想太君は、じっとわたしの方を見ている。
……えーと、何か用でもあるのかな。
すると、想太君は、口を開いた。
「何読んでるの?」
訊かれたのは、普通におしゃべりするようなことだった。
つまり、想太君はわたしと話したいわけか。
……信じられない。
なんで、わたしが想太君に話しかけられちゃってるんだぁ!?
