次は、理科かぁ。

教科書や、ノートを準備していると、先生が入ってきた。

理科担当の柊先生。

若い男の人で、まだ先生になったばかり。

顔立ちが良くて、男女から平等に人気がある。

わたしも、どちらかと訊かれたら好きな方である。

かっこいいし、やさしいし、言うときは言う。

だいたい新しい先生は、よく生徒にナメられがちだけど、柊先生はそんなことなかった。

運がいい人だな、と思ったこともある。

柊先生は、教卓の前に立つと、口を開いた。

「それじゃあ、始めてください」

あいさつをして、授業が始まった。

意外と真面目なところもあり、真剣な表情で黒板に向かう。

わたしは、理科が苦手だから、ノートを適当にとる。

すると、教室のドアから、ガララ……、と開く音が聞こえた。