キーンコーンカーンコーン。
このチャイムが鳴ったといことは、もう下校の時間なんだな。
わたしは、そう思いながら、遠い目で窓の外を眺める。
『さようならー』
数人の生徒が言い、みんな自分の鞄を持ち始める。
わたしも帰るか。
席を立ち上がり、横に掛かっている鞄を手にとった。
ボーっとしながら、廊下を歩く。
今日も、特になにもなかった。
同じ時間がぐるぐる回るだけ。
靴箱に着いたわたしは、靴を取り変える。
トントン、と靴の先を地面にぶつける。
そしてまた、歩き始めた。
はあ……、いつまでこんなつまらない日々を送らないといけないんだろう。
いやだな。
あ、いけない。
またネガティブなこと考えちゃった。
自分で毎日を楽しくしないと退屈になってしまう、と何かの番組でやっていた記憶がある。
楽しく……?
どうやって……?
わからないから、こうやってマイナス思考に物事をとらえるようになってしまったんだと、言ってやりたいものだ。
まあ、寝不足が続いているせいで、こんなに下向きなことばっかり思っているんだけど。
眠たくて、あまり頭が回らない。
回るのは、このつまらない時間だけ。
