さよならboy

まりりが委員会の用事でいないから、私も一人なんだもん。


話しかけたって、不自然じゃないよね。


「あの、市川くんって自転車で帰るの?」


携帯を見つめていた目が、こちらを向く。


他愛もない質問をするのに、随分改まった言い方をしてしまったから、少し拍子抜けしたような顔だ。


「ん、あー…。自転車で駅まで行って、あとは電車だよ」


私の思い切ったような質問に対して、市川くんは淡々と答える。


そう、そのくらい平凡な話だ。


少し落胆する。


「こんちゃんは自転車?」

今度は、笑顔。


「うん、私は家まで自転車」

「どのくらいかかるの?」

「30分くらい…かな」

「マジで?遠いねーっ。冬とか寒くて嫌になるね」


本当に、平凡な話だ。


なのに、楽しい。