さよならboy

市川くんだ。

私は目線で返事をする。


「あのさ、一番左の式のさ、2xの前って読める?」


「2xの前?えっと…36xの2乗…かな」


2乗の2が大きすぎて、何だか分かりにくかった。


「あれ2乗か!サンキュ!」



私は緊張を隠しながら、上手くない笑顔で返事をした。


「よく読めるねー。俺1分ぐらい考えたわ」


ニッと歯を出して笑う市川くんは、子供のように陽気で、私もつられてまた笑ってしまった。



おかしいな。


数学の授業が、好きになりそう。