〜**黒髪のお姫様**〜



ホームに降りると、男の子の泣き声がした。

迷子かな?



男の子の近くには、必死で男の子を泣き止ませようとしている人が見えた。



全然泣き止んでない…


しょうがない…



私は男の子の斜め前にしゃがみこんだ。



そして、いつも持ち歩いている飴を2、3個取ると、男の子の目の前に差し出した。



「全然痛くないよね?だからもう泣かないの。ほら、これあげるから」



飴で釣るなんてだめかな?


でも、これしか思い浮かばなかったし…



わたしが悪戯に笑うと、男の子も笑ってくれた。



林檎味の飴を取ると、笑顔で『ありがとう!!』と言って走って行ってしまった。


良かった