「美和子、なかなか帰って来ないので、心配しましたのよ。 社長さまのお宅にご迷惑をおかけするなんて、 甚だ失礼なことでございます。 今夜は遅うございますのでしかたがございませんが、 くれぐれも失礼のないように気をつけるのでございますよ。 お父さまには、私からよく説明しておきますので。 奥さまによろしく伝えてくださいね」 「はい。お母さま。それでは」 美和子は、受話器を置いて、神妙な顔つきを作ると、 薫子について部屋に戻った。