春風の涙は…きっと、今までのすべてだったんだ。

こんなに我慢させて、こんなに悲しませて…

…僕は、最低だと思った。





*





「…ありがとう。来てくれて…。」

「……うん。」





校庭の端にある、大きな桜の木の下。

僕は春風に呼び出されて、ここにいる。





昨日とは違って、笑顔の春風。

でも、その笑顔は…偽物だった。





「昨日は…ごめんね。謝ってばっかりだけど…本当にごめんなさい…。」





沈黙を破ったのは春風だった。





「…私の話、聞いてくれる??」

「うん。…もちろん。」

「ありがとう…。」





そう言うと、春風は話し始めた。