「最高の誕生日だったよ。ありがとッ。」





その日、春風はそう言って帰った。





春風の誕生日…この日は、僕の決意の日だったと思う。





ハルカのことを胸にしまって、春風を愛する。

そんな、決意をしたんだ…。





*





「周クン、日曜日どうするー??」





あの日から、春風は僕のことを名前で呼ぶようになった。





『周クン……。』





その呼び方に、その声に、ハルカを思い出さないと言ったら嘘になるけれど…





「遊園地は前に行ったし、水族館とか…動物園とかー…どこにする??」





…春風の笑顔も大事にしたいから。





「そうだな…春風はどこがいい??」

「私はどこでもいいよッ。んー…でも、動物園、行きたいかな…。」

「じゃ、動物園にしようぜ??」

「いいのッ??」

「もちろん。」





子供のような無邪気な笑顔で喜ぶ春風に、僕も笑顔で答えた。