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教室に着いて、藍が真っ先に僕達のところに来た。

言いたいことは、予想がつく…。





「…杉山には、ちゃんと言ったよ。」

「そ。まぁ、杉山なら大丈夫ね。」





藍は、一瞬ホッとした顔を見せてから、『わかってたけど。』と付け足した。





「それより周…春風を泣かしたら許さないから!!」

「泣かさないっつーのッ。」





思わず、ドキッとする。

隣にいた佐々木が、不安そうな顔をしたのを、僕は見逃さなかった。





「春風ッ。」

「ハイ…ッ。」

「なんかあったらいつでもおいでッ!!」

「…うんッ!!」





ごめんな、佐々木…。

でもきっと…きっと大丈夫だから。

だって、佐々木は僕の“彼女”だから……。