「徹ッ!!一緒に帰ろッ。」

「おぉ。…じゃあな、長倉。」

「あぁ。」





杉山と八神恵理香は、あの日から順調に付き合っている。

もう、一年経ったけれど、とくに喧嘩もしていないようだ。





杉山はカッコよくて女子から人気があり、付き合い始めた頃は八神が周りからいろいろ言われたらしいが、今では公認のカップルになっている。





八神は噂ほど暗い子でもなかった。

二人とも幸せそうだ。





それに比べて僕は…。





「長倉クン。」





…急に後ろから声がした。

佐々木だった。





「なッ何??」

「あのね、藍チャンから聞いたんだけど…長倉クン、今彼女いないっていうからさ、好きな人とかは…いないのかなぁって…。」

「…藍に聞けって言われたの??」





僕は急な質問に戸惑いつつも、冷静になった。