「なぁ、佐々木…。」

「ん??なぁに??」

「…春は、好き??」





春…。

ハルカに出会って、ハルカと、別れた季節。

佐々木と、出会った季節。

そして今…別れようとしている。





「……好きだよ??」





佐々木はそう言って笑った。





「春は…暖かいから。」





『春は暖かい。』





そう思えたのは、君がいたから。

そう…二人の素敵な人がいたから…。





「春はさ、出会いの季節だね。」

「…別れの季節でもあるよ??」

「うん。でもまた、新しい出会いがあるでしょ??」





佐々木は僕の目を真っ直ぐ見ていた。

僕もその瞳を見つめ返す。