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「あーもう卒業かぁ…早いなッ。」

「…だな。」

「周、泣かないでよー??」

「藍こそッ。」





今日は…卒業式だ。

高校三年目の春は、あっという間に来てしまった。





あれから…ハルカからの手紙を読んでから、僕は少しだけ変わった気がする。

…春を、好きになれた。





佐々木とは、相変わらず“友達”。

まだ少し、特別を感じることもあるけれど…

…僕はまだ、佐々木を愛せないんだ…。





そんなことを考えていると、佐々木が現れた。





「長倉クン。一年間だけだったけど、ありがとッ。」

「俺のほうこそ…ありがと。」





佐々木がいた一年間は、短くて、長くて…。

僕の大切な時間だったと思う。

佐々木には、本当に感謝しているんだ。