「周、記憶戻ったんだねッ??」





次の日、学校へ着くと、藍がいつものように高いテンションで来た。





「あぁ。」

「春風から聞いたんだけど…事故の後のこと、覚えてないんだって??」

「…あぁ。そうみたいだけど…。」

「そっかぁ……。」





藍は、ホッとしたように言った。

どこか、淋しそうだったけれど…。





「…そういえば、春風とはどうなってるのよ??」

「どうって…別に普通だけど。」

「嘘だぁ!!春風、聞いても何にも言ってくれないんだよぉ??何かあったでしょ??」

「何にもないからッ。他人のことは気にすんな!!」





僕は、藍のおでこを突付いて言った。





「えー??気になるじゃんッ。」





藍は、口を尖らせて言った。

別に…言いたくないわけじゃない。

言いたいわけでもない。





僕の中で整理できた気持ちは…閉まっておこうと思うんだ…。

佐々木にだけは、伝えたけれど。





「…この話は終わりッ。」

「…はいはい。わかりましたー…。」





藍も、それ以上は聞いてこなかった。