ようやく包装に打ち勝った紘哉は、箱の中からプレゼントを取り出した。 そして少し驚いた顔をする。 中身は黒いネクタイに似合うようなネクタイピンだった。 「どう?気に入った?」 羽兎がニヤニヤしながら尋ねる。 「まぁ……な。あ、ありがとう?」 「何で疑問系?」 相変わらず紘哉は意志疎通が下手くそだ。 羽兎は、クスッと笑うと空を見上げた。