「言ってなかった。
俺は、2年の藤間夜兎(トウマヤト)。
…でも、夜(ヨル)って呼んで。」
「…夜…先輩……?」
またも超至近距離で突然始まった自己紹介に戸惑いながら思わず復唱するようにつぶやいた。
「………。」
でも彼はどこかむっとした顔になって、眉間にしわを寄せた。
「……ダメ。」
「えぇっ!?」
そして、いきなりダメ出し!?
今、そう呼べって言ったじゃんっ!!?
焦るあたしに
「………!?」
綺麗な顔をぐっと近づけて……!
「ダメだよ…《先輩》は、いらない。
《夜》って呼んで……?」
「………!?
だっ、だって……先輩だし……っ。」
無駄にたれ流されてるこの人の色気にクラクラしてしまう…!
キラキラした黒い瞳は本当にヤバイんだよ!?