「「キャー!!」」



「うわ、すげー観客」



体育館がどよめいたと思ったら、咲学のバスケ部が現れた。
ダラダラやってくる様にこいつらのやる気がとことんない事がわかった。



…普段やる気ねー俺もこんなんなんかな。



そー思ったらすげーやな気持ちになった。



チラッと控えのベンチに座るデッカイゴリラみたいな怪我人に目を向ける。
右足のギプスが痛々しい。
うちのバスケ部主将の新堂先輩だ。



「ねー、先輩」



「おっ!?ななな何かなぁ!?藤間っ」



なんで上ずってんの、この人。



「タレ目に約束したらしい報酬いらねーから」



「ぇ……えっ!?」



俺の言葉に一瞬ポカンとした後目を見開いた先輩に俺はニィんと笑った。



「はじめから知らねーし、そんなもんいらない。

俺べつの目的があるから」



「も…目的?」



ワケわかんなそうな先輩をそのまま放置プレイして、俺はまたにゃあに視線を向けた。




たちまち絡む視線に、にゃあがずっと俺を見ててくれてるって解る。



胸の奥がぎゅうってなった。





そのまま




ーーーー俺だけを見てて、にあ。