夜の濡れたように輝く黒い瞳に吸い込まれてしまいそう…。
あたしは催眠術にでもかかってしまったように、夜を見つめながら無言で頷いていた。
クスリと笑った夜があたしに向かって手を伸ばし、少しひんやりとした長い指が火照る頬を撫でた。
「…っ」
ピクリと身体が震える…そのまま綺麗な顔がどんどん近づいてきて、あたしの視界は夜でいっぱいになった。
キス…出来そうな距離に、激しく胸打つ鼓動ばかりが耳に響いてきて恥ずかしくて堪らなくなって思わず身を引いて…ぎゅって、目を閉じた。
それを待っていたかのように、夜は逃げようとするあたしの両手首を捕まえると唇を耳に寄せた。
吐息が耳をくすぐって…
「…だって、にゃあ俺のことが大好きなんだもん」
「!!」
「ヤキモチで嫉妬でジェラシーするくらい…俺がすげー大好きだろ…?」
とろけそうに甘い声で囁く。驚きに目を開いて夜を見たけど…あたしは声も出せない。
見つめる夜の瞳が、くしゃっと嬉しそうに細まった。
「そんなの、嬉しいに決まってる」
あたしのわけわかんない態度を夜はすっかり見抜いてた…。


