「嬉しい…の?」
どこに嬉しい要素があったんだろう?あたしはまるでわからなくて、疑問そのままがポロッと口をついた。
「うん」
夜はまるで子供みたいに無邪気な笑顔で、コクリと頷いた。
「なんで…、」
「…っ」
「!?」
これまたスルリとこぼれたセリフに、夜がふはっと吹き出した。
「え?えっ?」
笑われてる!?
笑われた理由もさっぱりわからなくてあたしはパチパチと瞳を瞬いていた。
「にゃあさっきから“なんで”ばっか」
「!だ…だって!」
夜に指摘されて思いあたるふしに恥ずかしくなってきて、顔に火がついたみたいに熱くなってくる。
「あ…熱っ」
誤魔化すようにパタパタと手で顔を扇ぐあたしに、夜が横目で意味深な視線を投げて…それにドキッと心臓が跳ねて手が止まる。
そのままゆっくりと弧を描く夜の唇にあたしは釘付けになってしまった。
「…なんでか知りたい?」
ニィと口の端をつり上げた顔は、ちょっとイジワルだった。


