そして綺麗になった二つの缶ジュースを突き出してニコッと笑った。
「にゃあハンカチあるー?俺そんなん持ってねぇ」
お構い無しに突き出された缶ジュースからポタポタと落ちる水があたしの膝を濡らした。
「ふはっ、…うん。持ってる」
さっき妖しげなことを言って色香を漂わせていた人とは思えない。
大人びた清ました姿に何かをたくらむ色気たっぷりの妖しい笑み。次はうって変わった無邪気な姿…。
…夜って感情のままに動いてるなぁ。
コロコロと思うがまま表情を変える夜に、コチコチに固まった肩から緊張とか…色んなものがふぅっと抜けて、間抜けな笑い声が漏れていた。
受け取ったハンカチで濡れた手と缶ジュースを拭きながら、あたしに向かってそりゃあキラキラした笑顔でにーっこり振り向く。
「…で?拒否の理由は?」
「……」
このタイミングで聞くんだもん…。
恐れ入るよ…もう。
「実は…」
「うん」
――――夜は無意識にずるい。


