「あ、てんとう虫いた」
夜の声に、ベンチに座るあたしと夜の間に出来た一人分の隙間を見た。
そこをちょこちょことてんとう虫が歩いてる。
ブチッと葉っぱをむしって、それでてんとう虫をつつく夜。
…こらこらいじめちゃいけません。
ずいぶんとのどかな光景なのにちっとも落ち着かないあたしは
「ちょっとジュース買ってくる…っ!」
無駄に大きな声を出して立ち上がった。
「俺も行…」
「夜は待ってて…!すぐに戻るからー!」
あたしを見上げた夜に、行くと言われる前にビュンッと逃げるように駆け出した。
ごめんね、夜!
ちょっと、ちょっとこの落ち着かないむずむずする気持ちを落ち着かせて…!
あまりに素早く立ち去ったあたしを夜はぽかんと見ていた。
「…にゃあに置いてかれた。てんとう虫、俺にゃあに置いてかれたぞ…」
…ごめん!夜!


